2011年2月23日水曜日

キャリア教育に関する出張


今日は教頭先生とともに本庁に出張。キャリア教育に関する研究協議会だった。講師の先生は大学時代にゼミでお世話になった先生で、非常に驚いてしまったが、俯瞰的に物事をとらえる社会学的な視点でキャリア教育を論じられ、やはりいわゆるお役所的な言説とは一味違うそれが、私の脳内にはスムーズに入ってきた。

「キャリア」という言葉の持つ歴史的・社会的な意味や、文科省や道教委が出すプランの位置づけをメタ的に捉え、そこから論理的にいくとこういう解決法がいいんじゃないかと述べていく。まさに社会学的な論法を体験でき、大学時代からそういう言葉に慣れ親しんできた者にとっては、納得がいくものだった。しかし、これも社会学の弱いところだと思われるが、論理的には正しくても実際の現場レベルに落とし込んだ提案が出てこないところが歯がゆいところだった。それは高校現場レベルで当事者が実際に考えていくものだと、講師の先生もおっしゃっていたのだが、それにしても、社会学的に導き出される論理的な答えと、現場での実際のアクションがうまく結びつかず、齟齬が生まれてしまうという歯がゆさ。進路多様校である本校のような学校で、普通科としてコンピテンス(汎用的な力)を育成しながら、どう講師の先生のおっしゃる職業とのレリバンス(関連性)をより明確に生徒に伝えていくのか、具体的な行動はではどうあるべきなのか、今後考えをつめていく必要がありそうである。しかしいずれにしても、これまでの「キャリア教育」の理解を揺さぶられ、考えを深めるいいきっかけを与えてくれたことに何よりも感謝したい。

午後は研究協議であったが、司会を務めた主査の方を懐かしく拝見していた。というのも私が初任のころ授業を見てアドバイスを下さったり、初任者研修で指導していただき、励ましていただいた英語の先生だったからだ。今での先生が「教師は場面設定者である」という言葉をはっきりと覚えている。まあ相手は私のことなど覚えていないだろうと思っていたが、思いかけずその先生からわざわざ声をかけていただいて、思わず感激してしまった。私のような若い者を記憶にとどめておいてくださる懐の深さに尊敬してしまったのだった。

懐かしい二人の方との出会いをいただき、協議自体も、活発な議論が展開され、充実した協議会となり、大変な勉強になった1日であった。

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