2011年10月29日土曜日

道東道開通!

たまには英語教育とは離れた話題を。今日は道東道が全面開通した記念すべき1日となった。まさかこの日を函館で迎えることになろうとは夢にも思っていなかったが、帯広に生まれた私としてはうれしいニュースである。これまで幾多の困難を乗り越えてついに道央と道東がつながる日が来た。私自身も家族や周囲の人も、道路を使う者としてこの日を待ちわびていた。また、この道路を作る側としてこの日を目指した人々も身近な存在として私の周囲にいる。

私自身、冬の日勝峠、何度危ない思いをしたことか…。10年ほど前には鹿をひいてしまったという苦い経験もある。日本を代表する難所といわれるあの峠を通らなくても、道央と道東が結ばれる日が来た。すでに幹線が整備された関東圏などにおける高速道路と、北海道におけるそれの意味合いは大きく異なる。まさに生活を支えるインフラとしての意味合いが、北海道の高速道路だろう。公共事業による景気刺激策は非難されて久しいが、安心・安全という面で、高速道路は今、見直しがなされてきている。現に東日本大震災でも、高いところを走る高速道路が物流を支える大切な幹線として機能したと言われる。特に広大な北海道にとっては、高速道路なしにはこの広域圏を一つにするのは難しいだろう。

今日は道東に生まれ長く住んだ者として、まさに多くの先達の悲願が一つの達成を向かえた日でる。純粋に一人の高速道路を利用する消費者として、うれしいニュースであった。この日を目指して多くの犠牲を払ってこの道をつくってくださった先達に感謝したい。大切に使わせていただきます。

2011年10月27日木曜日

先輩の授業を拝見

今日は2週間にわたった授業公開週間も残り少なくなり、本校の先輩の授業を拝見した。赴任当初に一度拝見して以来であったが、今回も多くのことを学ばさせてもらった。先輩は教科のことでもこのところ特に忙しいだろうし、また部活や分掌でもこの学校のまさに屋台骨を担う働きをされており、多忙を極めておられるだろうに、授業も全く手を抜かず、というか授業を第一にされておられる気迫が伝わってくる方で、今日の授業を楽しみにしていた。

All Englishの授業のひとつのモデルを目の当たりにして大変勉強になった。まず指示するための英語。安定していて聞きやすく、表現も多様で明日からすぐにでも自分で使ってみたくなる表現ばかりであった。次に、生徒とやりとりするための英語。いわゆるteacher talkの点でも勉強になった。生徒を立たせてパフォーマンスさせてコメントを出す。その様子を全体に見せて理解を促進する。聞き取れないところももう一度聞き出して回答を引き出す。さらに、フィードバックを与える英語。勇気がなかったり答えられなくてもポジティブなコメントを笑顔とともに返し、教室の雰囲気をポジティブな状態に安定させていた。

使用しているワークシートはもちろんなのだが、その場のライブ感があるというか、ある一つの番組を見せてもらっているような感覚がした。準備はしているが、それをあえてワークシートに仕込んでおかない、という姿勢も大切なことなのだと、その後の先輩との話し合いで教わった。それに、日本語を使ってもいいのでは、というところもあえて言わず、英語にしている点も印象的だった。「できるだけ英語にしがみついてください」という教科調査官の話がまた思い出された。勤務する学校にこのように尊敬できる先生が多くいらっしゃる、というのはありがたいことだ。またいろいろ学ばせてもらいながら、自分の授業を改善していきたい。

2011年10月24日月曜日

1レッスンを読む授業(2)


引き続き1レッスンをまるごと読む授業を続けている。2クラスで実施しているのだが、そのうち1クラスは1レッスンを終えて次のレッスンの「ムーミン」へ。やはり今までの授業スタイルとは格段に進度が速い。その分こちらもハンドアウト作りのための予習が欠かせなくなっている。supplementary handoutの例文は、教科書の文とは別に独自のものをつくるようにしている。これに時間がかかるが、「この例文で生徒をひきつけよう」「この例文を示した後に、生徒に自分達で文をつくってもらおう」などと考えながらできるので、それがこのところ楽しくなっている。何より例文を自分で作り出すのは自分の勉強にもなり、今までのスタイルでのハンドアウト作りで使っていた頭の筋肉とは違う部分の筋肉を使っていて刺激的である。

これまでこの学校で積み上げられてきたタスクのすばらしさと、新しく作り出そうとしている、生徒や教員とのやりとりにあふれる部分と、両者を足したような授業を目指しているがどうなることやら…。生徒の笑顔に励まされながらがんばっている最中で、試行錯誤はまだまだ続きそうだ。

2011年10月18日火曜日

1レッスンを読む授業

今までの授業では1レッスンのうち1パートを6,7時間はかけて行っていた。多様なタスクで題材となる英文を刷り込み、それを使ってアウトプットへという主旨で行っていたわけである。それはそれで大切なことは言うまでもないのだが、担当学年の先生方で話し合ううちに、もう少しまとまった文章を読解させる力をつけたい、という意見でまとまった。生徒とやりとりをしながら、活動も折りませながら、1レッスンをまるごと題材にした授業ができないかとこのところ考えてきた。

今週からその授業を行っている。1レッスンを印刷したtext handout(B4裏表1枚)、本文の理解を助ける新出単語や熟語・構文の解説が載ったsupplementary handout(B4裏表印刷2枚)、そして本文を理解し音読練習したあとに、最後にとりくむ要約活動やQ&A、文法ドリルの載ったtask handoutである(B4裏表印刷1枚)。計画だと1レッスンを5時間ほどで行う計算になる。生徒とのやりとりを行うためには、supplementary handoutで出てきた単語や表現を使って例文を作らせてシェアさせたり、生徒に意味のあるその表現を使った質問をして答えさせたりすることだが、ここでいかに面白く興味をそそる展開を作り出すかが勝負どころである。そうやってターゲットとなる表現に慣れさせた後に、1レッスンのsilent readingに入る。そしてその後音読練習となる。

現在のところ、supplementary handoutが終わると、本文についてさらに解説ということはしていないのだが、生徒の理解度を見ながら、本文の解説を行う必要も出てくるかもしれない。ただ、英語で解説を行うには、私の英語力と生徒の英語力を考えると、題材が概念的に難しすぎておそらく不可能である。All Englishでの授業が基本線なだけに、そこのところをどうするか悩みどころとなっている。

今までの授業では題材となる1パートを使って、タスクをこなす、という展開であったが、これからはその題材を理解するためのinputの段階で、いろいろと生徒とやりとりをする、という場面が増えることになりそうである。私自身も、初めてのことだらけでとまどいながらだろうが、何とかやっていきたい。

2011年10月14日金曜日

私の英文法指導の変遷

英語教育ブログみんなで書けば怖くない!企画(http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20111001/p1)に参加中!

anfieldroadさんの呼びかけで多くの方が「英文法指導」について言及されていますが、私も1回目に引き続き、期限に遅れてしまいましたが、ここで述べておきたいと思います。

私は現在の学校で3校目となりますが、1校目では授業に参加してもらうことが目標の学校だったし、私も経験0の初任者だったこともあり、英文法を真正面からきちんと教えるニーズはあまりなかったと思われます。もっとほかの活動をしておけばよかったと、少し今では思います。当時はまじめだったというか、教科書に出てくる項目は一通り教えていました。そのまま教えていたため、生徒のくいつきは悪く、モチベーションを下げる授業だったと思います。情けない限りです。2校目は進路多様校だったためある一定数、英文法を習得する必要のある子は存在しました。ただ果たして英文法を明示的に教えたからといって、それをそのまま生徒がその順番で習得することはないと、私自身考えていることもあり、授業では体系立てて英文法を指導することはありませんでした。ただやはり教科書に出てくる項目は教えていましたし、進学者向けの講習では、あらかじめ予定を立てて、体系的に英文法を教えていました。しかしいずれにしても、文法事項が入った英文をまずは覚えることが大切だと考え、できるだけ簡潔に解説した後、ペアになって英文を覚える音読をするのが当時の授業や講習のスタイルでした。このスタイルだと生徒の活動が主体となり、授業や講習は活気が出てきました。

3校目となる現在の学校では、教科書に載っている英文をそのまま覚えるトレーニングでは、あまり生徒は食いついてこないことがわかりました。知的欲求がある生徒が多く、掲載された英文をひたすら音読する活動では飽きてしまうのかも知れません。ここにきて英文法をどう教えるか試行錯誤しています。前述の理由で体系的かつ明示的な英文法解説に疑問を抱いている者としては(といっても土曜講習などでは明示的に体系的に教えていますが)、授業ではあくまでコミュニケーション重視で、気がついたら英文法をこの項目を習得していた、という姿が理想です。とはいってもEFLの日本ではそのようなことはほぼ無理なので、このところ行っているのが、提示する例文をできるだけ生徒や私個人にとって身近な例文にして、それをもとに説明することです。そしてできるだけ、その後、生徒にその項目を使った英文を書かせて、ペアや全体でシェアするようにしています。あくまで明示的に最初は教えますが、公式のように覚えさせても言葉は意味をともなっているので、やはり生徒にとっての「意味」がないと覚えませんよね。その点、personalized sentenceというか、自分自身に近い文は覚えたくなるし、使いたくなると思っています。昔からこの方法は有効だと言われていましたが、私はあまり実践したことがなく、遅ればせながら、この方法をしばらく行ってみたいと考えています。

4技能のうち、文法を使う必要がある度合いが強いのはspeakingやwritingであり、readingやlisteningはそれほどではない、と聞いたことがあります。考えてみれば当たり前で、受動的技能では、やはり学習者は文法的なことを考えるよりむしろ、本文などの意味を考えながらtextや音声に取り組みますよね。それに対して、自分なりの言葉で発信するとき初めて、統語的な知識を総動員しながら話したり書いたりするわけで、その際英文法を駆使することになる。そう考えるとやはり、話させたり書かせたりする活動を、文法指導の後に持ってくる(あるいは逆に活動させた後に文法指導を行う)ことは理にかなっていると言えそうです。コミュニケーションを行う中で英文法を身近なものに感じてもらい、自然な習得を促せるように、早くなりたいものです。

2011年10月11日火曜日

合宿終了とテスト返却、小論文研修と病院

  
3連休は部活の強化合宿。実現できるかどうかも微妙であったが、外部コーチの方の熱意、OBの協力、生徒のがんばり、そして引率してくれたもう一人の顧問の努力で実施できた。近郊の宿泊所も予想以上によい施設で、食事もおいしく清潔。ぜひまた使わせてもらいたい。組織としての士気向上、先輩後輩関係の理解、礼儀や規範的生活の大切さ、それに親睦・交流、という意味でも、合宿を行うことの意味は大きい。ぜひまた行いたい。

連休明けの今日からは期末テストの返却。ALTとも話したが、同じクラス内であっても、英語力の差が大きいのが担当学年の特徴。テストの解説もどのレベルに合わせていいのか試行錯誤が続く。それにしてもこのくらいの英文量は時間内に処理しなくてはならない。accuracyとfluencyを両方伸ばしていく大切さを伝えて終了。
放課後は小論文の研修会に市内の高校へ。単位制の視察ということで4年前に訪問して以来。生徒も伸び伸び部活動にいそしんでいる様子でなんだか楽しそう。研修自体も普段は札幌でやるようなものを函館で開いてくださり、貴重な情報をいただいた。今すぐに、とはいかないが、やがて使う場面がくるであろう小論文指導。有意義であった。

夜は子どもの病院へ。1日1日顔が変化している。疲れてはいるけどずっとこのまま抱っこしていたい衝動にかられる。「面会時間もう終わりです…」の看護師さんの言葉で我に返り、帰路についた。

2011年10月8日土曜日

期末テスト採点

 年間行事の関係もあってこの間終わった前期期末テスト。コミュニケーション英語Ⅱは私が作成させてもらったが、いろいろと反省点も残った。

リスニング問題は前々から本校では導入されているらしいが、指示文を英語にしてCDに焼いて流したものの放送機器と相性が悪く断念。直接アナウンスに切り替え、問題はCDから流すという慣れが必要な作業をする必要が出た。筆記問題も指示文を英語にした。生徒の抵抗をなくすためにStudy Guideを1週間前に配布して傾向をつかませておいた。従来やっている本文の単語穴埋め問題はなくして、単語の定義問題、英問英答、本文中の文を5つ抜いておいて、それを本文の適切な場所に戻す問題、語群整序、そして要約問題とした。特に要約問題はモノローグの本文を、会話文に変えたものがあり、そこに本文と同内容になるように適語を入れていくという問題。ちょうど北大の要約問題の逆バージョンのような形。初見問題を出すのは当然だと思っていたが、定期考査ではそれは出さず、本校は実力考査という長期休み明けの問題で出すことになっているらしく、それはあきらめたので、難易度を上げるのに苦労した。

しかし思った以上に生徒は長文を処理できず(本文はレッスン丸ごと出した)、特に要約問題で苦戦。時間があればできるのに、時間がなかったのでできない生徒が続出した模様である。う~ん、微妙なところだ。出題者としては、もう少し処理すべき英文量を少なくすればよかったとも言えるが、逆に言えば50分でそのくらいの英文を処理できないと(しかも要約文は一度習った文章のアレンジ文)、センター試験や2次試験ではかなり厳しいだろう。その辺の時間と処理量のこともテスト解説時には伝える必要がありそうだ。逆に、普段の授業から提示する英文量が少ないことが根本的な原因としてつきつけられた。授業のあり方から変えていかなくてはならない。

2011年10月5日水曜日

First Baby Has Come!

Our First Baby has come! Though we were a bit surprised to hear that my wife was going to have  her first baby by Cesarean operation, a very aggressive baby was born today. My wife is also all right, she feels a bit of pain after the operation though. She will get better soon. She is still in kind of an intensive care unit, so I was first to hold our baby. Welcome to this new world, our son!. We wish your happy future!

2011年10月2日日曜日

充実の週末

 週末は札幌と函館で研修。札幌では教科の関係だが、普段は出会い得ないような方々の話を聞くことができ大変ためになった。自分の成長と、何よりも生徒のために、教育のために仕事をしていく姿勢をその姿そのものから学ばせていただいた。その後は函館に戻り同じ大学の先輩方の話を聞く機会を得た。広い視野と具体的な提言。経験に裏打ちされた一言一言が重く響く。週末出会ったお一人お一人、教育にかける情熱のレベルが一様に高いことに驚く。私のようにすぐにモチベーションが下がる者にとってはありがたい限りである。地に足をつけて、同時にビジョンをはっきり描きつつ、一歩一歩進んでいきたい。