2011年10月14日金曜日

私の英文法指導の変遷

英語教育ブログみんなで書けば怖くない!企画(http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20111001/p1)に参加中!

anfieldroadさんの呼びかけで多くの方が「英文法指導」について言及されていますが、私も1回目に引き続き、期限に遅れてしまいましたが、ここで述べておきたいと思います。

私は現在の学校で3校目となりますが、1校目では授業に参加してもらうことが目標の学校だったし、私も経験0の初任者だったこともあり、英文法を真正面からきちんと教えるニーズはあまりなかったと思われます。もっとほかの活動をしておけばよかったと、少し今では思います。当時はまじめだったというか、教科書に出てくる項目は一通り教えていました。そのまま教えていたため、生徒のくいつきは悪く、モチベーションを下げる授業だったと思います。情けない限りです。2校目は進路多様校だったためある一定数、英文法を習得する必要のある子は存在しました。ただ果たして英文法を明示的に教えたからといって、それをそのまま生徒がその順番で習得することはないと、私自身考えていることもあり、授業では体系立てて英文法を指導することはありませんでした。ただやはり教科書に出てくる項目は教えていましたし、進学者向けの講習では、あらかじめ予定を立てて、体系的に英文法を教えていました。しかしいずれにしても、文法事項が入った英文をまずは覚えることが大切だと考え、できるだけ簡潔に解説した後、ペアになって英文を覚える音読をするのが当時の授業や講習のスタイルでした。このスタイルだと生徒の活動が主体となり、授業や講習は活気が出てきました。

3校目となる現在の学校では、教科書に載っている英文をそのまま覚えるトレーニングでは、あまり生徒は食いついてこないことがわかりました。知的欲求がある生徒が多く、掲載された英文をひたすら音読する活動では飽きてしまうのかも知れません。ここにきて英文法をどう教えるか試行錯誤しています。前述の理由で体系的かつ明示的な英文法解説に疑問を抱いている者としては(といっても土曜講習などでは明示的に体系的に教えていますが)、授業ではあくまでコミュニケーション重視で、気がついたら英文法をこの項目を習得していた、という姿が理想です。とはいってもEFLの日本ではそのようなことはほぼ無理なので、このところ行っているのが、提示する例文をできるだけ生徒や私個人にとって身近な例文にして、それをもとに説明することです。そしてできるだけ、その後、生徒にその項目を使った英文を書かせて、ペアや全体でシェアするようにしています。あくまで明示的に最初は教えますが、公式のように覚えさせても言葉は意味をともなっているので、やはり生徒にとっての「意味」がないと覚えませんよね。その点、personalized sentenceというか、自分自身に近い文は覚えたくなるし、使いたくなると思っています。昔からこの方法は有効だと言われていましたが、私はあまり実践したことがなく、遅ればせながら、この方法をしばらく行ってみたいと考えています。

4技能のうち、文法を使う必要がある度合いが強いのはspeakingやwritingであり、readingやlisteningはそれほどではない、と聞いたことがあります。考えてみれば当たり前で、受動的技能では、やはり学習者は文法的なことを考えるよりむしろ、本文などの意味を考えながらtextや音声に取り組みますよね。それに対して、自分なりの言葉で発信するとき初めて、統語的な知識を総動員しながら話したり書いたりするわけで、その際英文法を駆使することになる。そう考えるとやはり、話させたり書かせたりする活動を、文法指導の後に持ってくる(あるいは逆に活動させた後に文法指導を行う)ことは理にかなっていると言えそうです。コミュニケーションを行う中で英文法を身近なものに感じてもらい、自然な習得を促せるように、早くなりたいものです。

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