2011年9月23日金曜日

私の英語学習歴

anfieldroadさんの企画で、同時期に同じテーマでブログをつづるというものがあり、もうすぐその2回目の企画が行われるようです。1回目の企画「私の英語学習歴」を書き逃していたので、2回目が始まってしまう前に、遅ればせながら1回目をつづっておこうと思います。

【中学時代】
ラジオ英語を聞いていました。基礎英語と続基礎英語です。英語会話はその当時の私には難しすぎてこれはあきらめました。音声で英語に慣れるにはラジオは私にとって最適でした。中学時代の先生も発音記号をもとに音声重視の指導法をしてくださり、家で音読してからその日習った文法事項を勉強するようになりました。音声に慣れさせてくださった当時の先生に感謝しています。ちなみに英検という存在を知り中学2年で英検3級を取得しましたが、それ以降しばらく英検を受けることはありませんでした。

【高校時代】
中学時代の勉強法のクセが残っていたので、音読する習慣を続けていたように思います。ただ学校で扱う文章量が多く、また家で使う長文問題集もかなりの分量だったので、すべてを音読していたわけではありませんでした。とにかく受験を目指して次から次に参考書と問題集を消費する、という今考えればあまり効率的とはいえない勉強法だったのですが、とにかく「問題を解けるようになればそれでいい」という学習方法を信奉していたため、このようになってしまいました。高校時代の英語の先生は個性的な方ばかりで、最初の授業で英語をひたすらしゃべって帰っていってしまうが、英語力が抜群の先生や、普段は単語しか教えてくれないけど自身の旅行の話はひたすら詳しく教えてくれる先生、映画のキャラクターに似ていてそのあだ名で呼んでいたが、緻密に教えてくれた先生など、直接私自身の英語力に直結していたかどうかはわかりませんが、楽しく面白い高校生活を送ることができたのも先生方のおかげだったのだなと、今思い返します。ちなみに、高校時代の3年間は英検など資格取得には全く興味を示しませんでした。

【大学時代】
研究系の大学だったためか、授業自体が面白いとおもった英語の授業は、教職でとった実践的案指導法の授業以外はありませんでした。その代わりではないですが自費で英会話スクールに2年間通いました。そのスクールのシラバスは今思えばfunctional syllabusで、場面場面ごとの使えるフレーズごとに構成されており、今まで文法シラバスごとに知識が頭の中で並んでいた私にとっては新鮮でした。ああ、こうやって表現をしっかり理解しながら覚えていくと(文法は一通り習っていたので、表現も理解できました)、会話で使えるんだなと、楽しく勉強できました。そのスクールは小規模なスクールで今ではつぶれてしまいましたが、合宿に連れて行ってくれたりパーティーをしたりと企画も楽しかったし、普段の授業もきちんとしていて、家庭学習ではディクテーションを課されたりと、厳しさもあり、充実した2年間でした。留学したいなあ~(その夢はかないませんでしたが)と漠然と思っていたのでTOEFLを受験しました。PBTで548点ほどだったと記憶しています。このスコアが結果的に教員採用試験の教科免除をもたらしてくれました。これは満点扱いになりますし、外部試験で基準点をクリアすることは教員採用試験合格を非常に有利にしてくれると思います。またこの頃アメリカ東海岸へ初めて海外旅行をしました。英会話スクールの知識を生かして話しかけたり聞き取れたりして、英語ってこんな風に使うんだなと充実感を覚えた最初の海外旅行でした。

【教員(最初の5年間)時代】
英語を使えるようになることに関して私の中ではモチベーションがありましたが、大学も社会学を勉強した私には「いかに英語を効率的に教えるか」「英語話者をどう育てるか」という英語教授法に関するモチベーションは正直あまりありませんでした。教科を通してというより、一教員として生徒とともに成長したい、という動機であった私は、教員になってみてそれなりに充実を覚えはしましたが、やはり授業を通して英語力をつけさせるには、私の側に、根本的に生徒を「見る」視点というかパースペクティブが育っていなかったと思われます。教員になって2年目で初めてTOEICを受けて860点、3年目で中学時代以来の英検を受けて準1級を取得しました。その後1級を何回か受けますが、圧倒的な差で落ち続けました。もう少しで手が届く、という感じなら勉強を続けようかと思うものですが、あまりに差があるために、これは英検のために勉強するのではなく、何か根本的に自分を変えるくらいの何かがないと受からないんだなと、感じ始めていました。

【大学院時代】
初任の学校を4年で転勤し、2校目に異動して1年たった頃ですから、私も教員として5年がたっていました。この区切りの年に、大学院に入りなおし、英語教授法を学びなおすことにしました。講義はすべて英語の学校だったので、予習・復習は非常に大変でした。1つの科目で必ず何枚もエッセイを書く必要があったので、その準備もしなくてはなりませんでした。しかしこの2年間で触れた英語の量が、私の今のバックボーンになっていることは間違いありません。仕事を離れた時間のあるせっかくの2年間だからと、ペーパーバックも読みあさりました。多少わからなくても、大まかな意味をつかむことを念頭に、勉強時間は教科書と学術論文、休憩時間は小説と、何でも読みまくりました。ある種ランナーズハイならぬリーダーズハイになった時期でした。大学院時代2年の最後で受けたTOEICは900点ちょうどとなりました。

【教員(大学院後)時代】
大学院から、2校目の学校に戻ると、また忙しい教員としての日々が始まりました。制約はあるものの、日々の生徒を見る目、授業を見る目が自分の中で新しくなっていることに気づきました。長期的な観点で、今この力を伸ばすことが必要ではないか、とか、この部分を改善したほうがいいのではないか、など、こちらに英語指導の視点ができているために、手を打っていこうという前向きな気持ちで授業改善を図っていくこととなりました。
大学院から戻ってきて2,3年は書き溜めていたエッセイや論文をもとに、学会に出かけていって発表をさせてもらっていました。英語教授法に関する専門用語を英語で習ってきたために、発表は英語でせざるを得ず、それがかえって自身の英語力を磨くいい勉強にもなったと思います。しかしこのごろはそんな専門用語も頭から抜け落ち、主に日本語で実践系の文章を書くこととなりました。それはそれでありがたい機会ですが、英語力という側面で言うと、やはり英語で文章を書く修行(はい、修行というくらい厳しいものですよね、英語で書くというのは…)が必要かも知れません。

英検も1級を取得しました。単語のセクションがとびきり難しいのでそこを重点的に勉強し、あとはエッセイの練習をしましたが、残りの部分は特に対策しませんでした。やはり大学院のときに触れた大量の英文がものをいったと思います。TOEICもその後ろ2回受けましたが、それぞれ910点、950点でした。TOEICは出る英文もそろそろ底をついているのではないかとうわさされるくらい傾向が似ているので、対策をたてばそれなりに点数は上がりますし、英語力試験というより、いかに早く問題を処理できるかと問う情報処理試験だな、とこのごろ感じています。まあだからこそビジネスの世界ではそれが必要なので、その意味ではすぐれた試験なのでしょう。それに比べTOEFLはアカデミックな内容ですし、speakingが追加されましたし、また「聞いてから書く」など、統合型のタスクが多用されているので、より歯ごたえのある難しい良問ぞろいですが、こちらは去年受けてIBTで96点と振るいませんでした。やはり100点は越えておきたい試験ですので、これは課題として今後対策をとっていこうと思います。別に試験のために勉強しているわけではありませんが、いち教師として人間的な成長をはかると同時に、やはり数値化できるところは数値化していく厳しさも自分に向け続けていたいというのが、両者を車の両輪と考える、私の変わらぬ基本的なスタンスです。

ずっと海外に行っていなかった私にもチャンスがめぐってきて、姉妹都市間の交流プログラムの引率ということでアメリカ中西部と西海岸へ行く機会に恵まれました。特にホームステイができたことは、アメリカの生活の一端に触れることとなり、貴重な経験でした。また、英検のお世話になり、イギリスに研修させてもらうこともできました。大学街の落ち着いた雰囲気の中で勉強できたことは貴重な財産となりました。
【現在】
1年に数冊のペースですが、ペーパーバックを読み、しばしばラジオでビジネス英語を聞き、たまにTOEFLの勉強をするというのが、今ではかなりのんびりとしてしまった私の普段の英語勉強の方法です。それと忘れてはならないのが、これまで出会ってきたALTの存在です。カナダ系、フィリピン系、中国系、アメリカ系、ニュージーランド系、と多用な方と一緒に仕事をさせてもらって、かの国の生活文化について話し合ったり、もちろん英語力も鍛えられたりしたことはかけがえのない財産です。特に2校目でであったALTとは夫婦ともども家族ぐるみのお付き合いとなりました。またこの4月から勤務する3校目の学校でも、常時2名のALTが働いている恵まれた環境で、彼らとの交流は私に大いに刺激をもたらしてくれています。

以上、英語に関して履歴をつづってみました。自分自身このようにまとめてみて振り返りができよい機会となりました。普段よりずっと長くなってしまった投稿にお付き合いいただき、感謝申し上げます。ありがとうございました。

4 件のコメント:

青森むつ太郎 さんのコメント...

英語遍歴面白い!

やっぱり根が真面目で自分とは違うと改めて思いました。

大学院時代の続きも書いてください。

Tetsuo Marugari さんのコメント...

青森むつ太郎さん、

 ご無沙汰しています。私もむつ太郎さんのようにビートを刻みながら英語をマスターしてみたいのですが、そうはできない自分です。またいろいろと英語教育談義をしたいですね。

青森むつ太郎 さんのコメント...

今までTetsuoさんの日記は読んでいたものの、コメントが投稿できませんでした。

ためしに書いたコメントが掲載されており驚きました…。

いろんなタイプの学習者がいる、と言いますが自分は間違いなくauditory learnerです。英語の本を買うときもCDがついているかが大きな基準になります。

ブラスバンドに携わっているとのこと、音楽と英語はとても似ている気がします。その辺もゆっくり話したいですね。

Tetsuo Marugari さんのコメント...

 驚かせてしまってすみません。そうですね。私は間違いなくvisual learnerだと思われます。読むことが好きですし。吹奏楽は特に経験は無いのですが、かれこれ3年半これで関わっています。確かに英語の教員は音楽から入るタイプの先生多いですよね。興味深いのは数学の先生は音楽が得意なタイプ多いですよね。ということは英語が得意だと数学が得意なんでしょうか?これはなかなか当てはまりにくい印象がありますが、どうでしょう(笑)。