2010年9月26日日曜日

日本人が英語を学ぶ理由について

 私は英語教育に関わっている端くれの一人であるが、「英語」に関しても、「教育」に関しても、あまりに多くの人々が巷の話題としてコミットできるトピックであるため、議論がうまくかみ合わず、ネット上でも必要のない感情に任せた言葉が飛び交ってしまうことがたびたび起こる。例えば「英語」に関しては「日本人の英語力」ということで不当にその英語力が「低い」とか「いや実はある」のような2項対立的議論が巻き起こるが、こういうところで「経済学的に」物事を冷静に見ることができる視点というのは大切だ。例えばWillyさんのブログ記事にあるような、「インセンティブ」の視点を持つことで、日本人が英語を学ぶインセンティブが相対的に低いことが理解できれば、じゃあその上で「英語を学ぶ意味って何か」議論ができるだろうし、英語力が「低い」とか「高い」という単純な結論の浴びせあいを避けることにもつながるだろう。いずれにしても「英語」にしろ「教育」にしろ、議論するなら自分の取るポジションを自覚かつ明示した上で、包括的な議論をする覚悟を決めてから始めるべきだろう。

2 件のコメント:

青森むつ太郎 さんのコメント...

金谷憲先生の「英語教育熱~過熱心理を常識で冷ます」
ではそんな英語ばやりの昨今の様々な異なる考えや迷信について、小気味良い切り口で語っています。なるほど!と膝を叩きたくなります。

日本人は大人数で島国に住んでいて、英語を使わなくてもまずは支障なく生きていけるから、国際社会やその競争を意識できないと難しいかも。
本当に必要なのか?に対して誰にどの位必要なのかを明確にする必要もあると思いますね。じゃないと議論しても・・・ですよね。

Tetsuo Marugari さんのコメント...

むつ太郎さん、
 コメントをどうもありがとうございます。金谷先生の著作読んでみたいと思っていて手にとっていませんでした。今度読んでみたいと思います。
 そうですね。ポイントを絞った議論をしないと方向性が見えないですね。またいろいろとそういう話をむつ太郎さんとすることができることを楽しみにしています。